つきよみ自然農園は慈しみの畑です

私の実践する自然農の基本理念はこの「慈経」がベースとなっています。
しかし作物を育てる以上、鎌や鍬を使い、畑を踏み締め、自分でも気づかないうちに生命を傷つけてしまうこともあるでしょう。
ですから「限りなくギリギリまで命を守る」ということをモットーに畑仕事をしています。
そして、命いっぱいの畑で育った元気な野菜を、ご縁のある方に食べてもらい、元気いっぱいで日々の活力になれば、そのプロセスこそが慈経の実践だと思っています。
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テーラワーダ仏教(お釈迦様のそのままの教えを口伝や経典で伝え続けている原始仏教のこと)の実践者は、日々様々な経を唱えて過ごしています。
修行者の心の状態によって、その時にピタリと合うお経が必ずあります。
数あるお経の中でも、この慈経は、心の状態の如何に関わらず、修行者は毎日唱えて、心を慈しみのエネルギーで満たすようにしています。
心が平安になった状態をキープすることで、ヴィパッサナー瞑想や諸々の修行も飛躍的に進んでいきます。
心を慈しみで満たして、悪いことはひとつも起こりません。もしも慈しみの瞑想をして副作用のように拒否反応が出てしまうとしたら、それはその方の現在の心の状態が、あまりにも長く慣れ親しんだエネルギーのため、慈しみのような優しいエネルギーが流れてくることを拒んでしまうからです。
慣れ親しんでいるエネルギーは怒りかもしれません。根強く離れない欲望のエネルギーかもしれません。はたまた、慈しみのことなど考えたくもない、怠惰や無知のエネルギーかもしれません。
慈しみのエネルギーは育てるものです。はじめから慈しみのエネルギーが備わっている人も稀にいますが、たいていの人は、人のことよりも自分のこと、他の生命のことよりも自分のことを一番に考えて生きています。
この「自分のことが一番大事」という自己愛は、どんな生命にも共通するエネルギーです。このことをしっかりと肝に銘じ、「自分も含めて、如何なる生命も自分のことを大切にしてほしいと願っている。だから私は如何なる生命も大切にして生きていこう」と決意するのです。
それでは実際に慈経を読んでみましょう。
慈経
1.解脱という目的をよくわきまえた人が、静かな場所へ行ってなすべきことがあります。何事にもすぐれ、しっかりして、まっすぐでしなやかで、人の言葉をよく聞き、柔和で、高慢でない人になるように。
2.足ることを知り、手が掛からず、雑務少なく、簡素に暮らし、諸々の感覚器官が落ち着いていて、賢明で、裏表がなく、家々に執着しないように。
3.智慧ある識者達が批判するような、どんな小さな過ちも犯さないように。幸福で平安でありますように。生きとし生けるものが幸せでありますように。
4.いかなる生命であろうともことごとく、動き回っているものでも、動き回らないものでも、長いものでも、大きなものでも、中くらいのものでも、短いものでも、微細なものでも、巨大なものでも、
5.見たことがあるものもないものも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、既に生まれているものも、卵など、これから生まれようとしているものも、生きとし生けるものが幸せでありますように。
6.どんな場合でも、ひとを欺いたり、軽んじたりしてはいけません。怒鳴ったり、腹を立てたり、お互いにひとの苦しみを望んではいけません。
7.あたかも母が、たった一人の我が子を、命がけで守るように、そのように全ての生命に対しても、無量の慈しみの心を育ててください。
8.慈しみの心をすべての生命に対して、限りなく育ててください。上に、下に、横に棲む如何なる生命に対しても、わだかまりのない、怨みのない、敵意のない心を育ててください。
9.立っている時も、歩いている時も、座っている時も、あるいは横になっていても眠っていない限り、この慈悲の念をしっかり保っていてください。これが崇高なもの(梵天)の生き方であると言われています。
10.このように実践する人は邪見を乗り越え、常に戒を保ち、正見を得て、諸々の欲望に対する執着をなくし、もう二度と母体に宿る(輪廻を繰り返す)ことはありません。
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いかがだったでしょうか。
人によって感じ方は様々だと思います。
「毎日唱えて慈しみの心を育てよう」と思われた方は、すでに心の修行の進んでいる方だと思います。是非毎日唱えて、心に平安をもたらし、そのエネルギーをあらゆる生命に波及してください。
「この部分は許容できるけど、この部分は許容できない」と思われた方は、今はそれで良いのです。たとえば『生きとし生けるものが幸せでありますように』という部分は素直に許容できるなら、その部分だけでも毎日唱えるようにすると良いです。それだけでも心の状態はすごく安定してきます。
「今の私にはこのお経は全然入ってこない」という方は、そのまま何もしなくていいです。このお経は忘れて過ごしてください。
しかし、ひとつだけお願いがあります。このお経の部分だけをコピーして、ご自分のメモ帳などに保存しておいてください。たったそれだけです。
あなたの長い長い心の旅の途中、スランプや挫折に陥った時、目の前が真っ暗になった時、心が苦しくて溺れそうな時…。
必ずあなたの心の支えとなって、実際にあなたを強く守ってくれる、御守りとなることでしょう。
合掌
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慈経
1.[解脱という]目的をよくわきまえた人が、静かな場所へ行ってなすべきことがあります。何事にもすぐれ、しっかりして、まっすぐでしなやかで、人の言葉をよく聞き、柔和で、高慢でない人になるように。
2.足ることを知り、手が掛からず、雑務少なく、簡素に暮らし、諸々の感覚器官が落ち着いていて、賢明で、裏表がなく、家々に執着しないように。
3.智慧ある識者達が批判するような、どんな小さな過ちも犯さないように。幸福で平安でありますように。生きとし生けるものが幸せでありますように。
4.いかなる生命であろうともことごとく、動き回っているものでも、動き回らないものでも、長いものでも、大きなものでも、中くらいのものでも、短いものでも、微細なものでも、巨大なものでも、
5.見たことがあるものもないものも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも、既に生まれているものも、卵など、これから生まれようとしているものも、生きとし生けるものが幸せでありますように。
6.どんな場合でも、ひとを欺いたり、軽んじたりしてはいけません。怒鳴ったり、腹を立てたり、お互いにひとの苦しみを望んではいけません。
7.あたかも母が、たった一人の我が子を、命がけで守るように、そのように全ての生命に対しても、無量の慈しみの心を育ててください。
8.慈しみの心をすべての生命に対して、限りなく育ててください。上に、下に、横に棲む如何なる生命に対しても、わだかまりのない、怨みのない、敵意のない心を育ててください。
9.立っている時も、歩いている時も、座っている時も、あるいは横になっていても眠っていない限り、この慈悲の念をしっかり保っていてください。これが崇高なもの(梵天)の生き方であると言われています。
10.このように実践する人は邪見を乗り越え、常に戒を保ち、正見を得て、諸々の欲望に対する執着をなくし、もう二度と母体に宿る(輪廻を繰り返す)ことはありません。
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つきよみ   自然農園

神奈川県厚木市•伊勢原市のつきよみ自然農園。年間40種類以上の野菜を育てています。

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